4 複合伝熱  

 

 フィンの伝熱

温度Tw の壁から,温度Ta の外気中に厚さ 2B,  幅 W,  長さ L の平板フィンが出ている。

このフィンの温度分布 T (z )を表す微分方程式は次式の2階の微分方程式となる。

ここで,h はフィン−外気間の伝熱係数である。z 方向の伝熱量q

なので,これを変数として,上の2階の微分方程式はT , q に関する正規形の連立常微分方程式となる。

ここで,初期条件のうちq (0)が不明で,その代わりq (L )= 0 の条件が与えられる。(境界値問題)これを解くにはq (0)を仮定して積分し,q (L )= 0となるq (0)を求める。

【例題1】フィンの伝熱<term13b.xls>

L =0.06 m, B =0.002 m, Tw =100℃, Ta =25℃, h =0.6966 J/(m2 s K), λ =0.1045 J/(m s K)の場合,フィンの温度分布T (z)と熱 流束q (0)を求めよ。

 「微分方程式解法シート」でq の初期値を試行して,q (L )=0とする。フィンの温度分布は図に示す。これより熱流束はq (0) =451.6 J/(m2 s)である。 (T(L)= T∞となっていないがLが大きいとT(L)→ T∞となる。)

 

 非定常伝導伝熱+対流伝熱(伝熱係数)

 

【例題2】自然対流による冷却<therm6.xls>

非定常伝導伝熱の板状材料の冷却問題において,板を空気中に立て て設置して,自然対流伝熱で冷却する場合の材料内温度変化を求めよ。

 

発熱と放熱

 

【例題3】複合伝熱<therm5.xls>

水平に置かれた厚さδ=4 mm, 50 ×50 mm角のアルミナ板(熱伝導率λ= 25 W/(m K), 表面積A= 0.0025 m2)の底面に消費電力 1.0 Wの電気回路があり発熱している。アルミナ板表面から温度T∞= 300 Kの空気中へ自然対流と熱放射で放熱されるとき,底面の温度T0を求めよ。

これらの式は全体でTwについての非線形方程式である。図のExcelシートでセルB3:B5に式(2)〜(4)を記述し,式(1)の残差をB9につくる。ゴールシークでB9を目的セル,目標値0,変化させるセルB1として解くと,Tw =338 Kとなる。


 

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