平衡転化率 Excel 


以下の例題を解いたExcelシート<rxn1pp.xls>により解説する。

【例題】アンモニアの平衡転化率<rxn1pp.xls>
アンモニア生成反応:
の425℃, 100 気圧における平衡転化率を求めよ。

先ず反応の標準温度(T0= 298.15 K)における平衡定数 K 298を求める。

(平衡定数の定義は:
)

図のシートでセルC3:C5に各成分の標準生成Gibbsエネルギー を反応の化学量論係数(B3:B5)として
   
から,セルB7のようにK 298が得られる。(R :気体定数)

次に平衡定数への温度の影響を考慮して,T = 698 K(=425℃)における平衡定数 K Tを求める。(すなわちその温度での標準生成ギブスエネルギーを求める。)Gibbs-Helmholtz式を温度T で積分すれば,平衡定数の温度依存性に関して次式の関係が得られる。
    
における反応熱である。いま気体の熱容量C p [J/(mol K)]を3次式:
   
で表せば,温度T における反応熱は,
    
である。これを式(2)に代入して整理すると以下の関係が得られる。
 
F10:I12に各気体の熱容量式の係数を書き,これらに量論係数を乗じた和をC13:I13に作成する。B17:B20に式(6), (7)を計算し,最終的に式(5)をセルB21に求める。以上によりB22に指定温度での平衡定数K Tが得られた。
(式(2)〜(8)は 浅野康一:「化学プロセス計算 新訂版」, p. 149, 共立出版, 1999 による。)

 最後に反応ガスの平衡組成を求める。反応進行度ξ [mol](B32),成分i の仕込み量をn i0 とすると,i の物質量は次式である。
   
である。全圧P , 標準圧力P 0(=101.3 kPa)とすれば,平衡定数とモル分率の関係:

より,反応進行度は次式を解くことで求められる。
    
式(11)をB33に書き,ゴールシーク数式入力セルB33, 目標値 0, 変化させるセルB32として実行することで,式(11)の解が得られる。 これより698 Kにおける反応進行度(平衡転化率)がξ=0.336と得られる。 図中のグラフは温度・圧力を変えて計算をおこない,平衡転化率の温度・圧力依存性を示したものである。

このExcelシート<rxn1pp.xls>にはこの他 ,

の計算シートがある。


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