分離プロセス 多段抽出


【問題】 エタノール(C)/水(A)/エチルエーテル(B) 間の液液平衡は表のようになっている.3個の分離ユニットにより 30wt% のエタノール水溶液 0.05 kg/s をエチルエーテルによって向流多段抽出する.エチルエーテル 0.1 kg/s を使用するものとして,各段の組成を求める.

【解】 図式解法

@方眼紙に平衡関係をプロットする
A F-M : M-S = S : F = 0.1 : 0.05 に内分する点としてM点を決める.
BRn点を仮定
CRn-M を延長してE1点を決める.物質収支より,
F-E1=R1-E2=R2-E3=R3-S= 0 の関係がある.この式は線分F-E1, R1-E2, R2-E3, R3-S の延長線がすべて同一点で交わることを意味する.このO点を操作点という.線分F-E1, R3-S を延長した交点としてO点を決める.
DE1からタイラインによりR1を決める.
ER1とOからE2を決める.
FE2からタイラインによりR2を決める.
GR2とOからE3を決める.
HタイラインによりR3を求める.
IR3がはじめに仮定したR3に一致するまでBまでの手順を繰り返す.
J図が描けたら,てこの規則により,順次流量を決める。各段濃度を図から読み取る。

計算による解法

各段の物質収支と平衡関係を連立させて解く.例えば第1段では
全体の物質収支: F +E2=E1+R1
エタノール収支: FxCF+E2xCE2 = R1xCR1+E1xCE1
水収支: F (1-xCF)+E2xAE2 =R1xAR1+E1xAE1
平衡関係:タイラインの位置y1 を変数として,点(xCE1, xAE1),(xCR1, xAR1)が溶解度曲線上にあること.
以上が連立方程式となる.


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