配管網の頭損失

図のように同じ長さでの5本の管で配管された4箇所の蛇口に水を供給する。各蛇口出口位置は同一平面にある。各蛇口における必要な液流量pi [m3/min]がそれぞれ指定される。

各蛇口間の管一辺あたりの頭損失hi [m]は、管内の流量Qi [m3/min] より、

で近似できる。(管の曲がり部の損失など管摩擦以外の頭損失も含む)
各管の流量を求めなさい。

【解答例】(p1=3,p2=2.5, p3=5.0, p4=4.0 の場合の解答。)

各管の流量Q1〜Q5,および頭損失h1〜h5の10個の未知数である。これらに関する方程式が、hとQについての5個:
hi=0.5|Qi|0.85Qi (i=1〜5)
分岐点p2〜p4に関する物質収支が3個:
Q1=p3+Q3+Q5
Q2+Q3=P2+Q4
Q4+Q5=p4
また、閉回路p1p2p3, p2p4p3に関する頭損失間について次の関係:
h1+h3-h2=0
h3+h4-h5=0
がある。以上10個の非線形連立方程式を解く。

答: Q1=5.81 m3/min, Q2=5.68 m3/min, Q3=-1.03 m3/min, Q4=2.16 m3/min, Q5=1.84 m3/min, h1=13.0m, h2=12.5m, h3=-0.53m, h4=2.07m, h5=1.55m

【参考】

上の例題は以下の直流電気回路の問題に似ている。頭(ヘッド)が電圧に、流量が電流に、頭損失が抵抗に相当している。ただし電気回路における抵抗は一定であるが、頭損失は流量の関数であり未知数となる点が異なる。

右のブリッジ回路の計算は、未知数が電流I1〜I5,電圧V1,V2の7個。いまR1=5,R2=4,R3=3,R4=2,R5=1の場合は、
I1=I3+I5
I4=I5+I2
V1=I3R3
V2=I4R4
(V1-V2)=I5R5
5-V1=I1R1
5-V2=I2R2
の連立方程式を解いて、答はI1=0.635, I2=0.817, I3=0.594, I4=0.866, I5=0.050, V1=1.782, V2=1.832となる。



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