積分

積分公式

1.

2.

3.   4.

 

5.部分積分

部分積分は実際の積分計算で多用される。となる関係をみつけて、

部分積分公式:

【例】を用いて、

 

6.置換積分

とおいて、のとき、

【例】の置換をすると、

 

7.定積分の表記法

不定積分 のとき、定積分は次式:

。これを のように表記する。

【実習】多項式で表された気体の熱容量式:


からT=25〜800℃のエンタルピー変化ΔH[J/mol]を求める。

数値積分法

<台形則>

 

これを微少区間で繰り返し、合計すれば積分計算がおこなえる。

 

<シンプソン則>

先のラグランジュの内挿式で

とおくと、

 

 

となり、この2次式は必ず3点を通る。これを区間で積分する。

これを2区間毎に繰り返せば数値積分がおこなえる。これをシンプソンの1/3則という。

 

【実習】次の等間隔データ(インパルス応答曲線)を数値積分する。

時間x

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

濃度y

0

0.01

0.09

0.33

0.6

0.7

0.6

0.33

0.09

0.01

0.01

 

化学工学における積分

1.触媒反応の転化率

 気相流通反応における反応速度の取り扱い方は、右図のように反応管内は押し出し流れであると仮定する。ここで扱うイソプロピルアルコールの一分子脱水反応の反応次数は1次なので、反応速度は反応物質の濃度 A
 AA/(ABC
により
 =−A0(d/d)=−k yA (2)

で表せる。 ここでA0;原料送入速度[cm3/s] ;転化率(≡(反応した原料モル数)/(送入した原料モル数)) V ;反応容積[cm3] ;反応速度定数。転化率と濃度の関係は、

なので

これを反応管入口から出口まで積分して、

 

2 仕事 

【例題】(化学工学基礎より)4シリンダーの4サイクルエンジンが2800 rpm (round per minute)で動いている。圧縮・膨張行程でのシリンダ内の容積V[m3]と圧力P[Pa]の関係が図(インジケータ線図)のようであった。エンジンの出力を求める。

【解】V-P図で曲線とx軸で囲まれた面積が仕事Wとなる。圧縮曲線と膨張曲線下の面積の差が外部になされる仕事である。この面積を図積分で求めると、0.435であり、

0.435×(106Pa)×(10-3m3)=435 Pa・m3=435 (N/m2) ・m3= 435 N・m =435 J

である。エンジン一回転毎に2つのシリンダが働くのでエンジンの出力は以下となる。

435 J×2×(2800/60 s)=40.5x103 J/s =40.5 kW

このようにエンジン出力はシリンダーの容積と圧縮比に依存する。

   

圧縮行程

 

膨張行程

 

V[x10-3m3]

P[MPa]

V[x10-3m3]

P[MPa]

0.4

0.4

0.4

0.4

0.395

0.2

0.395

0.6

0.38

0.1

0.38

0.75

0.3

0.1

0.3

1

0.25

0.15

0.25

1.2

0.2

0.25

0.2

1.4

0.15

0.45

0.15

1.8

0.1

0.8

0.1

2.6

0.07

1.5

0.07

3.7

0.05

2.5

0.05

4.5

0.0333

6

0.0333

6

 

【実習】上の積分をExcel上の数値積分でおこない、仕事を求める。

 3 単蒸留のレーリーの式


 

 

 

 

蒸発缶(スチル)に原料を仕込み発生蒸気を凝縮させてそのまま留出液とする回分操作が単蒸留である.蒸留酒の製造などに古くから用いられている.この操作では蒸留の進行とともに留出液中の低沸点成分の濃度も低下するので,留出率と留出液濃度の関係(蒸留曲線)が操作の要である.
 はじめに全量F
0[mol], 低沸点成分(メタノール)濃度 x0[モル分率]の2成分混合液をスチルに仕込む.単蒸留期間中のある時間におけるスチル中の全液量,濃度をF, x,留出液すなわち発生蒸気の低沸点成分濃度をy [モル分率]とする.その後の微小時間に仕込み液がdF[mol]蒸発し,その濃度がdx低下したとすると,低沸点成分の物質収支は,


dFdxの項を省略して,

これを蒸留開始の状態(Fo, xo)から,ある時間の(F,x)まで積分する。左辺は、

であるので、

これが単蒸留のレーリーの式である。仕込み液に対する留出蒸気の割合すなわち留出率θをとすると、

 

2成分系の平衡関係が,一定の相対揮発度α:

により表わせる場合には、右辺が

 

 

となる。(公式:)

よって、      

 である。

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