世の中すべて水と油

ものを分けるには「水と油」の関係、すなわち物質の親水性・疎水性の性質を利用することも多い。


抽出

エタノール水溶液に、水と混じらずかつエタノールとはよく混じる(溶解する)ような第三成分を利用することで、エタノールが水から回収できる。

 

吸着

吸着法は脱臭剤、乾燥剤など身近に応用されている分離法で、工業的にも高度な分離には欠かせない分離技術である。吸着剤はあまり種類が多くなく、活性炭やゼオライトが代表的なものである。ゼオライトは分子オーダーの細孔構造を持つ結晶であり、組成により親水性・疎水性が変わる。エタノール分離にはハイシリカゼオライトという疎水性を高めたものが利用できる。

 

膜分離

膜分離でエタノール水溶液からアルコールを分離するには逆浸透法(液/液系)やパーベーパレーション法(液/蒸気系)がある。ペーベーパレーション法は膜の片側を減圧して、供給液の一部を膜を介して蒸発させる方法である。

このとき膜素材の性質により透過しやすい成分としにくい成分とが分離される。たとえば膜素材に親水性のポリビニルアルコールを用いると、水が優先的に透過し、エタノールは供給液中に残される。逆に疎水性のシリコーンゴム膜を用いるとエタノールが優先的に透過する。

膜分離は気液平衡に支配されず、膜の性質で目的の分離を達成できる可能性がある。エタノール分離に関しても最も期待がかかっており、無機膜を含め各種の膜が研究されている。

 



inserted by FC2 system