膜分離工学 限外濾過
濾過はフィルターにより水と粒子を分離する一般的な方法である。これに対して限外濾過膜による濾過では使用する圧力が大きく、また、目にみえない微小のコロイドが除去できる。そこで普通の濾過を越えているという意味で、英語ではultra-filtration、これを訳して限外濾過と呼んでいる。現在では細孔径が1 nmから100 nm(0.1 μm)の範囲の多孔質膜を限外濾過膜と呼び、限外濾過膜による膜分離を限外濾過法としている。
限外濾過膜は以前よりコロジオン膜が研究用としてあった。しかし、逆浸透法で開発された多孔質膜の製法が応用され、分離活性層が薄く、細孔経が均一な限外濾過膜が製造できるようになったことで、広く応用されるようになった。
限外濾過膜の微小な細孔により、水中のウイルス、高分子、コロイドから微粒子まで分離することができる。ただし、低分子の物質や塩類は透過する。操作圧力は逆浸透法より低い0.1から1MPaである。
限外濾過法は自動車工業における塗料の回収、牛乳の濃縮、生酒の製造など多くの応用がある。
限外濾過法の応用例 |
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水処理分野 |
し尿処理 |
工業分野 |
自動車の電着塗装排水からの塗料の回収 |
食品分野 |
牛乳および脱脂乳の濃縮・分画 |