膜分離工学 パーベーパレーション

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伊東研


パーベーパレーション法は膜を通して液体を蒸発させるという、いわば逆浸透法とガス分離法の中間のような膜分離法である。浸透気化法とも呼ばれる。蒸発という相変化をともなう点が他の膜分離法と異なる特徴である。

使用する膜は孔のない高分子膜ないし、分子レベルの微細孔をもつ無機膜である。膜の供給側に混合溶液を流し、透過側を真空に保つことで膜を通して供給液体を一部蒸発させる。この方法で分子レベルで混合している成分を分離・濃縮できる。例えばエタノール水溶液からエタノール成分を分離することができる。

パーベーパレーション法は蒸留法に代わる分離法として期待されているが、膜分離法としては最近のものなので実用例は多くない。工業分野で有機溶媒からの水成分の除去に用いられている。今後、水−アルコールの分離、炭化水素の分離への応用が期待されている。

パーベーパレーション法の応用
工業分野 有機溶媒からの水成分の除去
水−アルコールの分離
 

パーベーパレーション 膜蒸留・膜脱気

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