Web版 化学プロセス集成
排煙脱硫-千代田サラブレッド-121 排煙脱硫プロセス-

 

排煙脱硫プロセスは,石炭などからの燃焼ガスに含まれる二酸化硫黄 SO2 を除去するものである。特に大量の石炭を燃焼する石炭火力発電所などは,排煙脱硫の設備なしには成り立たない。ここで紹介する排煙脱硫プロセスは千代田化工建設の独自技術である「千代田サラブレッド-121 排煙脱硫プロセス」である。

【ビデオ】排煙脱硫装置(関西電力舞鶴発電所) (クリックでビデオ再生します)
 

燃焼ボイラーからの排ガスを石灰石のスラリー(水と粉(10-30%)との混合液)中に吹き込む。気液接触高さは10〜30 cm程度である。この水中に排ガス中の二酸化硫黄 SO2 は吸収・除去される。吸収されたSO2は酸素との酸化反応 および石灰石との中和反応で石膏の結晶となる。供給される石灰石(炭酸カルシウム)は100%消費される。反応は大気圧下,温度50℃程度 ,吸収液のpHは4〜5.5の弱酸性でおこなわれる。反応の模式図1)を下に示す。

ビデオ資料は関西電力舞鶴発電所における設備である。2300 kNm3/hの排ガス処理能力で,最大830ppm-SO2を45ppmまで低減する。(除去率94%)石膏が15 ton/h生成する。


参考資料
1) 武井 昇・鍛冶尚弘:排煙脱硫技術の海外への展開,化学工学,70巻, 44 (2006)


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