Web版 化学プロセス集成
原油の成分分離-常圧蒸留-

 

原油はメタン(C1)からC70以上の炭化水素混合物である。これを成分毎の揮発性の違いを利用して分離するのが常圧蒸留装置である。

ビデオ資料(出光興産・北海道製油所

 

原料原油を加熱炉で350℃以上に加熱して,蒸気-液混合で蒸留塔に挿入する。 蒸留塔は多段の塔であり,段上の液と段下からの蒸気が沸騰点で混合する。塔内部の操作圧力は約1.5気圧である。蒸留塔の上部を40℃,底部を300℃に保つと,この間の温度に応じて,その沸点の成分が各段に分配される。各段から液を抜き出すことで炭素数に応じた成分が分離できる。

分離された成分は塔頂からLPガス(沸点40℃,炭素数C1〜C4),ナフサ(約110℃,C5〜C10),灯油(約180℃,C10〜C20),軽油(約260℃,C14〜C20),重油(C20〜C70)などである。


参考資料
石油学会編:「石油精製プロセス」,講談社 (1998)

YouTubeビデオ資料

HOW AN OIL REFINERY WORKS SHELL OIL HISTORIC FILM 71862 - YouTube

Crude Oil Distillation - YouTube


inserted by FC2 system