微分プロセス2 吸収

プラグフロー−プラグフロー

吸収操作は図式解法で解く典型的例題である.しかし積分の道具があれば,簡単な積分の問題となる.両側プラグフローモデルで吸収装置の性能をシミュレートしてみる.

 

【例題】
 20℃でのSO2の水に対する溶解平衡は, x= 0.0279y +0.00233y1/2 で表せる.(x;溶解平衡にある水中のSO2モル分率.y;大気圧下での空気中のSO2モル分率.)

気液向流の吸収塔で5%のSO2を含む空気(y1=0.05 )を水で洗浄する.処理空気の供給流量はG1=20mol/(s・m2) (塔単位断面積当たり)とする.簡単のため気液の流量G, L は一定とする.(G1=G2=G)この塔の気相境膜容量係数kya=40mol/(m3・s),液相境膜容量係数kxa=2500mol/(m3・s)とする.

液ガス比(L/G)を60〜105(=60+学籍番号下1桁*5) として,塔高さZSO2回収率(=100*(y1-y2)/y1[%])の関係を計算する.  

【解】

塔内で変化する4つの量,気相中SO2モル分率x,液相中SO2モル分率y,界面濃度yi,xi,に関する式は,塔の微小高さdzにおける物質収支:

気液界面における平衡関係:

である.  

Lの条件を決めて,x1を仮定 (EQM文例: input x1 ) して塔頂まで積分する.

(EQM文例:
INTEGRAL z[0,Z] step 0.1
x # x1 (inputした値)
y # 0.05      
trend y,yi,xi,x step 0.5
)

塔頂でx=0(x2=0)の条件に合う初期値x1を試行して求める問題となる.

レポート

@一例だけ塔内濃度分布(x,xi,y,yi vs Z)を描く.これを図1とする.      
A塔高さZ vs SO2回収率を示す.これを図2とする.
(数値例) L= 1000, G=20, Z=2.0m のとき x1=0.000902 で x2≒0 となる.このとき y2=0.00488 で,SO2回収率 90.2%.


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