化学工学基礎
 化学工学とは 講義概要

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伊東研


 化学工学とは

化学プラント

1 化学のものづくり=プロセス産業

科学技術において工学は「ものづくり」が目的である。これに対して理学の目的は「真理の探究」である。 工学の目的である「ものづくり」といっても,それはひとの役に立つモノ,すなわち「売れる製品 」でなくてはならない。 市場で売れる製品であって初めて産業として成り立つ。工学はその産業(製造業)の技術的基礎を提供するものである。

一般に製造業としての産業は「加工組立産業」と「プロセス産業」に大別され,各々様相が異なる。

加工組立産業は自動車や家電製品で代表される,機械・機器を提供する産業である。加工組立産業では 先ず素材を加工し,部品・パーツを作る。そして,それらを組合せて機能を持つ製品を製造する。(このような加工組立の工場を factory という。)その製造には多くの人手が必要である。そのような機械・機器は基本的には限りなく 「人工的」に精密化・高度化が可能であり,設計,アイデアおよび製品の機能が市場での競争力となる。加工組立産業での「設計(デザイン)」は製品そのものについてなされる。このような加工組立産業を支える工学が 物理を基礎とする機械工学や電気工学である。

化学プラント

一方のプロセス産業は基本的にはプラスチックや無機物などの素材そのものを提供する産業である。天然原料から化学反応や分離混合操作を利用することで製品を作る。原油を分離精製してガソリンや灯油を作る,水素と窒素を反応させてアンモニアを作るなどである。 このような工場をchemical plantないし plant という。

⇒化学プロセスの例 エチレンプラント 排煙脱硫

2 化学におけるものづくりの原理は自然現象(=化学)

プロセス産業におけるものづくりの原理は「自然現象」であり,その域を出ない。高温・高圧で反応させるといってもそれはあくまで物理化学の範囲内の 自然現象を利用しているだけである。 物質に関する自然現象を学ぶのが「化学」である。高校化学にいわゆる物理化学分野(気体・液体・固体,理想気体法則,蒸気圧など)があることを不思議に思うかもしれないが,この物理化学が化学系のものづくりの基礎となっている。

⇒高校化学の教科書 蒸気圧=蒸留操作の原理 ヘンリー法則=吸収操作の原理

 

3 化学工学は化学とものづくりをつなぐもの

このような化学系ものづくりの原理(物理化学と反応化学)を応用して,実際にものをつくるには化学プラントを設計・建設・運転しなくてはならない。

化学の特徴はそれが自然現象であるために,条件を設定すれば必ず再現されるということである。原料を調整して,それをある圧力と温度の場に置けばスケールによらす同じ現象が再現できる。ここに化学のものづくりの特徴であるスケールアップが可能な理由がある。また,化学の原理を学ぶ意義もそこにある。

プロセス産業では加工組立産業のように製品そのものに直接手を加える のではなく,原料が自然現象を起こす「場」を設定することで,原料を間接的に操作して製品をつくる点に特徴がある。 「場の設定」といっても自然現象なのであまり設定できるものはなく,温度,圧力,相(気体・液体)および他の成分を混ぜることとその混合法程度である。製造工程は原料や生成物を処理(プロセス)するための「場」を提供するものであり, 基本的には容器である。しかし,普通は流体を連続処理するために配管と塔槽類で構成される特徴的外観をもつ。

プロセス産業の製品は普通は「素材」なので,製品自体での差別化はできず,産業としての競争力は大量に安定して生産できること,製品の純度 ,および製造コスト(主に使用エネルギー)に依存する。 このため新規の化学プラントは大量生産を目的とした大型化,エネルギーの有効利用のためのフローの複雑化の傾向を持つ。 (スケールアップが可能なのは自然現象を利用しているからである。)このようなプロセス産業では,設計 (デザイン)の対象は製品そのものではなく,主にプロセス(処理法)となる。 これが「プロセス設計」である。

このような特徴を持つプロセス産業の技術的基礎を提供するものが化学工学である。したがって,
@化学反応と物質の状態変化に関わる原理を示す物理化学
A化学反応を定量的に取り扱う反応工学
B原料や製品の混合・分離法を考える分離精製工学
C化学プロセスを設計・運転するためのプロセス工学
が化学工学の基本分野となる 。これらの技術により自然現象を利用した化学系ものづくりが達成される。これらの技術体系が化学工学であり,それを専門とする技術者がケミカルエンジニアである。

 

では具体的な化学プロセスで、その基礎と実現に必要な技術の例を示す。図はアンモニアプロセスであり,天然ガス,水,空気の天然原料を利用して原料ガスを調整後,平衡反応: N2 + 3H2 → NH3 によりアンモニアを合成する。その際のエネルギーは原料天然ガスの一部の燃焼で発生するエネルギーを使用する。プロセスは大きく改質(水素製造),CO2分離,合成の3つである。改質工程では反応工学の知識が活用される。CO2分離工程は吸収法によるものであり,物質移動論および分離工学の技術を用いる。アンモニア合成工程も反応工学が基礎である。またここではリサイクル操作が用いられており,プロセス工学の技術が活用される。なお,これらの各工程は連続しているので,ガス,液体の流通法に流体工学が,各所の熱交換に伝熱工学が,プロセス全体の定常運転に必要な計測・制御にプロセス工学の技術が適用される。以上のようにこのプロセスひとつでも化学工学を構成する4つの分野の技術が総合的に用いられている。

4 化学工学の体系(カリキュラム)

本学科のカリキュラムで化学工学修得のための科目群を示す。これらは上記4分野にわたっており,その内容は我が国および世界的に共通のものである。

 

化学工学のカリキュラム:
 1年生         2年生                 3年生         発展科目
 物理化学→ 化学工学量論→分離工学→ プロセス設計
                    移動現象論     反応工学     生物化学工学,材料科学

各科目の(世界的)標準教科書:
化学工学の世界的標準教科書: 物理化学:アトキンス物理化学
化学工学量論:Himmelblau, D.M., J.B. Riggs: Basic Principles and Calculations in Chemical Engineering, 8th ed , Prentice Hall (2012)
移動現象論: Bird, R.B., W.E. Stewart, E.N. Lightfoot: Transport Phenomena, Wiley (2006).
分離工学:Henry, E.J., J.D. Seader, D.K. Roper: Separation Process Principles, 3rd ed., John Wiley & Sons (2011)
反応工学:Levenspiel, O.: Chemical Reaction Engineering, Third Edition, John Wiley & Sons (1999)

 

化工コース教官による教科書

ベーシック移動現象論 ベーシック分離工学 ベーシック反応工学

新しい化学工学 流体移動解析 新しい化学工学 物質移動解析 新しい化学工学 反応工学解析 新しい化学工学 システム解析

Excelで気軽に化学工学 Excelで気軽に化学プロセス計算 Excelで気軽に移動現象論 トコトンやさしい膜分離の本

 


5  全国の化学工学科・化学工学コース

1960年代の石油化学工業の発展とともに,全国の工学部に化学工学科が30ほど設立された。現在は改組などで化学工学の名を冠した学科は東京工業大学だけとなったが,技術者教育の分野としてはその規模を維持しており,現在も 化学工学を専門とする大学卒業生の数は約1500人である。

 

大学・学部 設立 1978 1) 変遷と2010年現在(⇒:統合,→:名称変更,〜:変更なし) 型 2) JBEE 3)
北海道大学工学部 1960合成化学工学科 ○(11) 応用理化学系学科・応用化学コース[16] 研究室型  
室蘭工業大学工学部 1962化学工学科[40] ○(11) ⇒1990応用化学コース[30] 研究室型  
東北大学工学部 1919化学工学科
1961化学工学科
○((16) ⇒1988化学・バイオ工学科化学工学コース[22] 化学工学コース 2002
秋田大学鉱山学部 1981資源化学工学科[24]   ⇒1990資源・素材工学科,物質工学科、1999環境物質工学科→2008環境応用化学科[24] 発足より研究室型  
山形大学工学部 1958化学工学科 ○(14) ⇒1990物質工学科→2000物質化学工学科化学工学専修コース[40] 化学工学コース 2004
群馬大学工学部 1936化学工学科 ○(11) →1989生物プロセス工学科→1989生物プロセス工学科→2007環境プロセス工学科→2013環境創生理工学科環境エネルギーコース[40] 独立 2002
東京大学工学部 1959化学工学科 ○(19) →1994化学システム工学科[46] 独立  
東京農工大学工学部 1966化学工学科[40] ○(15) ⇒1995応用化学科システム化学工学コース→2000化学システム工学科[37] 独立 2001
東京工業大学工学部 1941化学工学科 ○(28) →1987化学工学科・化学工学コース(17)[35] 化学工学コース  
東京都立大学工学部 1949工業化学科 ○(7) →首都大学東京都市環境学科分子応用化学コース[10] 研究室型  
日本大学理工学部
工学部
1947工業化学科 ○(3) →1999物質応用化学科
2011生命応用化学科[21]
研究室型  
芝浦工業大学 1954工業化学科 ○(3) →2001応用化学科[14] 研究室型  
中央大学理工学部 1949工業化学科 ○(5) →1989応用化学科[30] 研究室型  
早稲田大学理工学部 1917応用化学科 ○(4) 〜[20] 研究室型  
工学院大学工学部 1958工業化学科化学工学コース ○(15) 1970化学工学科→1997環境化学工学科→2009環境エネルギー化学科[71] 独立  
東京理科大学工学部 1963工業化学科 ○(4) 〜[26] 研究室型  
成蹊大学 2005物質生命理工学科 〜[26] 研究室型  
千葉工業大学 1961工業化学科   →2003生命環境科学科[20] 研究室型  
横浜国立大学工学部 1962化学工学科 ○(13) →1986物質工学科・化学プロセス工学大講座(16)[40]→2011化学生命系学科・化学応用教育プログラム(12)[20] 研究室型 2002
 
明治大学工学部 1960工業化学科 ○(2) →2006応用化学科[20] 研究室型  
慶応義塾大学工学部 1939応用化学科 ○(2) 〜[7] 研究室型  
関東学院大学工学部 1960工業化学科 ○(3) →2004物質生命科学科[12] 研究室型  
神奈川工科大学工学部 1975工業化学工学科 ○(20) ⇒1996応用化学科[13 ] 研究室型  
新潟大学工学部 1960化学工学科 ○(11) ⇒1998化学システム工学科・化学工学コース[40] 化学工学コース 2005
富山大学工学部 1965化学工学科 ○(11) ⇒1990材料機能工学科[20] 研究室型  
金沢大学工学部 1945化学機械学科
1964化学工学科
○(15) ⇒1986物質化学工学科化学工学コース(15)→自然システム学類物質循環工学コース[53] 独立 2005
信州大学繊維学部 1962繊維化学工学科 ○(11) →精密素材工学科(7)→2008材料化学工学課程[40] 独立 2002
静岡大学工学部 1958化学工学科 ○(9) ⇒1994物質工学科化学工学コース→化学システム工学コース→2013化学バイオ工学科環境応用化学コース[40] 化学工学コース型 2007
名古屋大学工学部 1952化学工学科 ○(32) →1991分子化学工学科⇒1997化学・生物工学科分子化学工学コース[50] 化学工学コース型 2001
名古屋工業大学工学部 1949工業化学科 ○(3) →応用化学科→生命物質工学科物質化学系(8)[10] 研究室型  
中部大学 1966工業化学科   応用化学科[6] 研究室型  
京都大学工学部 1940化学機械学科1961化学工学科 ○(28) ⇒1993工業化学科化学プロセス工学コース[40] 化学工学コース型  
京都工芸繊維大学工芸学部 1967工業化学科 ○(3) ⇒2006物質工学課程[0] 研究室型  
同志社大学工学部 1963化学工学科 ○(14) →1994物質化学工学科→化学システム創成工学科[80] 独立  
大阪大学基礎工学部 1963化学工学科 ○(27) ⇒1997化学応用科学科化学工学コース[45] 化学工学コース型  
大阪府立大学工学部 1952化学工業科化学機械コース ○(18) →1962化学工学科→2012工学域物質化学系学類化学工学課程[35] 独立 2008
関西大学工学部 1958化学工学科 ○(13) →2007エネルギー環境工学科[80] 独立 2005
神戸大学工学部 1965化学工学科 ○(11) ⇒1992応用化学科[50] 研究室型  
岡山大学工学部 1960工業化学科   →環境反応工学教育研究分野→化学生命系学科[8] 研究室型  
広島大学工学部 1959化学工学科 ○(14) ⇒1976第3類化学工学課程[40] 化学工学コース型 2004
山口大学工学部 1969化学工学科 ○(11) ⇒1995応用化学工学科→応用化学科[30] 研究室型  
徳島大学工学部 1965化学工学科 ○(11) ⇒1988化学応用工学科[40] 研究室型  
九州大学工学部 1960化学機械工学科 ○(21) ⇒1997物質科学工学科化学プロセス・生命工学コース[40] 化学工学コース型  
福岡大学工学部 1969化学工学科 ○(14) →2003化学システム工学科[100] 独立型 2002
熊本大学工学部 1949工業化学科   →1996物質生命化学科[10] 研究室型  
鹿児島大学工学部 1964化学工学科 ○(12) ⇒1991応用化学科化学工学コース→(独立)2009環境化学プロセス工学科[40] 独立型 2004
[ ]は学生定員          
1) ○は化学工学系教官名簿(化学工学, 42, 556 (1978))掲載学科,(教官数)    
2) 独立:化学工学科で入学,コース型:化学系で入学し,2年時に化学工学コースに配属,研究室型:化学工学系研究配属で化学工学系卒業生
3) JABEE(日本技術者教育認定機構)化学および化学関連分野(化学工学コース)認定年度    

 

参考資料:最も高収入が得られる大学の専攻ランキング今後ますます求められる、化学工学出身のエンジニア

6 化学工学ではどんな研究がおこなわれているか

化学工学の研究室ではプロセス産業の問題解決,新規プロセス開発を目標に研究開発がおこなわれている。キイワードはエネルギー,環境,新素材,情報システム である。

参考資料:化学工学会学会プログラム

7 化学工学と単位操作

化学プロセスでは一般に混合,反応,分離精製という多段階の操作で成るが,各種化学プロセスで使われている共通の操作をまとめて各「単位操作 unit operation」として取り扱うのが化学工学の特徴である。化学工学の教科書も単位操作毎に書かれている。上にプロセス産業の特徴を述べたが,各単位操作も同様の共通の特徴を持つ。それは@基礎としての物理化学(自然現象),Aその原理を使って目的を果たすための実際の装置,Bその装置性能を表し,装置を設計するための数学的モデルおよびその解法,の構成になっている。

 

 

8  「化学工学基礎」は工学部化学系学科の世界共通の基礎科目

本講義内容は「化学工学基礎」,「化学工学量論」,「化学プロセス計算」などの講義科目名で,全世界の工学部化学系のコースで必ず学ぶ内容である。(米国では工学部の化学系学科(高分子など)は全てChemical Engineeringに含まれる。)代表的教科書 D.M. HIMMELBLAU (University of Texas), J.B. RIGGS, " BASIC PRINCIPLES AND CALCULATIONS IN CHEMICAL ENGINEERING",PRENTICE-HALL(2003) (日本語版:「化学工学の基礎と計算」,大竹伝雄訳,培風館) の目次を示す。この講義の構成もほぼこれにならっている。

" BASIC PRINCIPLES AND CALCULATIONS IN CHEMICAL ENGINEERING"

1. Introduction to Engineering Calculations                 工学計算序論

         Units and Dimensions                                              単位と次元

         The Mole Unit                                                           モル単位

         Conventions in Methods of Analysis amd Measurement 解析と測定の慣例

         Basis                                                                            基準

         Temperature                                                              温度

         Pressure                                                                       圧力

         Physical and Chemical Properties of Compounds and Mixtures 物性値

         Technique of Problem Solving                               問題解法の方法

         The Chemical Equation and Stoichiometry        化学方程式と量論式

         Digital Computers in Problem Solving                  計算機による解法

2 Material Balances                                                          物質収支

         The Material Balance                                              物質収支

         Program of Analysis of Material Balance Problems                   物質収支問題解析の手順

         Material Balance Problems with Direct Solution                         直接解ける物質収支問題

         Material Balance Using Algebraic Techniques   代数的手法による物質収支

         Problem Involving Tie Components                     対応成分を含む問題

         Recycle, Bypass, and Purge Calculation リサイクル,バイパス,パージの計算

3 Gases, Vapors, Liquids, and Solids                              気体,蒸気,液体,固体

         Ideal Gas Laws                                                         理想気体法則

         Real Gas Relationships                                            実在気体の関係

         Vapor Pressure                                                          蒸気圧

         Saturation                                                                  飽和

         Partial Saturation and Humidity                           部分飽和と湿度

         Material Valance Involving Condensation and Vaporization 凝縮と蒸発を含む物質収支

         Phase Phenomena                                                    相現象

4 Energy Balance                                                               エネルギー収支

         Concepts and Units                                                  概念と単位

         Heat Capacity                                                           熱容量

         Calculation of Enthalpy Changes                         エンタルピー変化の計算

         Enthalpy Changes for Phase Transitions             相変化のエンタルピー変化

         The General Energy Balance                                  一般化エネルギー収支

         Reversible Process and the Mechanical Energy Balance可逆プロセスと機械的エネルギー収支

         Energy Balances with Chemical Reaction 化学反応を伴うエネルギー収支

         Heats of Solution and Mixing                                溶解熱,混合熱

5 Applications of Combined Material and Energy Balances             物質収支とエネルギー収支の組合せ

         Simultaneous Material and Energy Balances     物質,エネルギー同時収支

         Enthalpy-Concentration Charts                            エンタルピー濃度線図

         Humidity Charts and Their Use                             湿度図表

         Complex Problems                                                   複雑な問題

6 Unsteady-State Material and Energy Balances 非定常物質エネルギー収支

         Unsteady-State Material and Energy Balance 非定常物質エネルギー収支

 

その他代表的教科書を示す。

R.M. Felder, R.W. Rousseau , "Elementary Principles of Chemical Processes", John Wiley & Sons (2004)
N. Ghasem, R. Henda, "Principles of Chemical Engineering Processes," CRC (2008)
浅野 康一, "化学プロセス計算 新訂版", 共立出版 (2002)

参考:"Introduction to Chemical Engineering Processes," From Wikibooks, the open-content textbooks collection

スタンフォード大の講義ビデオ(YouTube) Introduction to Chemical Engineering | Lecture 1-Lecture 20

 

 「化学工学基礎」の内容と「物理化学」における学習事項との関連

参考書:アトキンス「物理化学(上)第一部」(2001,東京化学同人)との関連を示す。 この教科書は専門科目「物理化学」「反応速度論」でも使われますが、下線部の項目はこの講義でも取り扱います。

第T部 平衡

1.気体の性質

完全気体

1.1 気体の状態

1.2 気体の諸法則

1.3 気体の運動論モデル

実在気体

1.4 分子間相互作用

1.5 ファンデルワールスの式

1.6 対応状態の原理

2.第一法則:概念

基本的な概念

2.1 仕事・熱・エネルギー

2.2 第一法則

仕事と熱

2.3 膨張の仕事

2.4 熱のやりとり

2.5 エンタルピー

2.6 断熱変化

熱化学

2.7 標準エンタルピー変化

2.8 標準生成エンタルピー

2.9 反応エンタルピーの温度依存性

3.第一法則:方法論

状態関数と完全微分

3.1 状態関数

3.2 エンタルピーの温度依存性

3.3 CvCpの関係

4.第二法則:概念

(略)

5.第二法則:方法論

(略)

6.純物質の物理的な変態

(略)

7.単純な混合物

(略)

8.相図

相・成分・自由度

8.1 定義

8.2 相律

2成分系

8.3 蒸気圧図

8.4 温度−組成図

8.5 液体−液体の相図

8.6 液体−固体の相図

9.化学平衡

(略)

10.平衡電気化学

(略)

 

  エンジニア教育認定基準(JABEE)(化学・化学工学)と化学工学基礎

エンジニア教育認定基準(JABEE)(化学・化学工学)を以下に示す。本講義の内容が専門能力の筆頭に挙げられている。

 (1)基礎能力  

a) 数学、物理学、化学など自然科学に関する基礎知識、およびそれらを問題解決に利用できる能力
b) 有機化学、無機化学、物理化学、分析化学、材料化学、生化学などプログラムの目的に適切であるとみなされる化学に関する専門知識、およびそれらを問題解決に利用できる能力
c) 経済性、安全性、信頼性、社会及び環境への影響などを考慮しながら、問題を解決できる能力

(2)専門能力

a) 物質・エネルギー収支を含む化学工学量論、物理・化学平衡を含む熱力学、熱・物質・運動量の移動現象、反応工学、拡散・機械的分離を含む分離工学、プロセス制御を含むプロセスシステム工学、プロセス設計に関する専門知識、およぴそれらを問題解決に利用できる能力 //


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